白内障とは
人の目は、よくカメラにたとえられますが、カメラのレンズに相当するのが水晶体です。
水晶体は直径9mm、厚さ4mmの凸レンズの形をしていて、膜(嚢)に包まれています。
この膜の前面が「前嚢」、後面が「後嚢」と呼ばれています。
一方、水晶体の中身は、透明な組織でたんぱく質と水分から構成され、「皮質」と「核」に分かれています。
正常な水晶体は透明で、光をよく通します。しかし、さまざまな原因で水晶体の中身のたんぱく質が変性して、濁ってくることがあります。これが「白内障」です。
水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなったり、光が乱反射して網膜に鮮明な像が結べなくなり、視力が低下します。加齢が原因である場合がほとんどですので、早期発見・早期治療を行いましょう。
このような症状はありませんか?
- 視界がかすんで見える
- 物が二重に見える
- 光が眩しく感じる
- 視力の低下
- 色の区別がつきにくい
- 目が疲れやすい
治療方法
白内障の進行を遅らせる方法として、点眼薬が用いられます。 しかし、点眼薬では白内障を完治させることはできません。 症状が進行して日常生活に支障を感じる場合には、濁ってしまった水晶体の代わりに人工の眼内レンズを入れる手術を受けていただきます。
眼内レンズ
眼内レンズは取り出した水晶体の代わりとなる人工水晶体です。直径が6mm程度で、眼内に固定するためのループと呼ばれる支持部がついています。小さな切開部位から折りたたんで挿入されます。眼内レンズを挿入することで、視力を得ることができます。
乱視矯正も可能ですが、使用できない場合もあります。
手術で挿入した眼内レンズは、ピントを調節する力がありません。そのため患者さまのライフスタイルに合わせて、ピントを近くに合わせるか遠くに合わせるかを選んでいただくことになります。遠くも近くもピントが合うように設計された、多焦点眼内レンズもあります。
しかし患者さまの眼の状態によっては手術が受けられない場合がございます。手術を受ける前に、術後の見え方について医師とよく話し合うことが大切です。
白内障の日帰り・手術入院
- ・手術は予約制で、月曜日および木曜日の午後に行っております。
- ・手術日当日は、午前8時45分までに来院していただきます。
- ・患者さまの希望により日帰り手術も可能です。
- ・入院は1泊2日で、翌日の午前中退院です。
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注意事項
- 当日の午前9時から手術後1時間まで絶食になります。
- 入院中は、禁酒・禁煙となっております。
- 貴重品の管理にお気をつけください。
- 入院中の外出は出来ません。
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注退院にあたっての注意事項
- お会計は退院の際にお願いします。(日帰りの方は除く)
- 日帰り手術の方は眼帯をしたまま帰っていただきます。
- 手術後2週間は夜間眼帯をつけておやすみいただきます。
- 退院の翌日は必ず午前中に受診していただきます。
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手術後の生活の目安
入浴 手術後3日目以降 ひげそり 手術後4日目以降 洗顔・洗髪 手術後4日目以降 散髪・毛染め・パーマ 手術後4日目以降 仕事 手術後1週間目以降 メガネ 手術後1-2ヶ月頃に合わせます。 ※上記に示した「目安」は、個人の生活様式等により若干の相違があります。
詳しくは当院までお問い合わせ下さい。
笑気麻酔について
目の手術は怖いと感じられる方へ。治療に関する不安を少しでも軽減できるよう、低濃度笑気麻酔を行っています。
「目の手術って、本当に痛くないの?」「どうしても不安になってしまう」等、手術を前に様々なご相談をいただきます
普段入ることのない手術室に対する緊張感やストレス、手術中に何をされているのだろう?と考えてしまうことによる不安等を強く感じてしまうことにより 手術の痛みがなくとも「怖さ」が勝ってしまい、時には「やっぱり手術を受けたくない」とおっしゃる患者様もいらっしゃいます。
浅野眼科クリニックでは白内障手術に対し、大きな不安や恐怖・ストレスが残ってしまう患者様へ、治療にまつわる不安を少しでも楽になるよう「低濃度笑気麻酔」を用いた 手術をご提案させていただいております。
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低濃度笑気麻酔とは
低濃度笑気麻酔とは、子どもの歯科治療や無痛分娩にも幅広く用いられる、安全性の高い麻酔です。恐怖心や不安感から解放されリラックスした状態で手術を受けていただくことができます。
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低濃度笑気麻酔の特徴
- リラックス効果
軽い鎮静・鎮痛作用と睡眠作用があります。
眠ってしまうほどの強い麻酔ではなく、ぼんやりと体がふわふわするような気持ちよい感覚です。 - 術後も体に残らない
使用後はすみやかに排出され体の中に残らないので、数分で元に戻ります。 - 副作用の心配が少ない
非常にまれではありますが、吐き気、四肢の脱力などの症状を感じられる方がおられます。
- リラックス効果
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低濃度笑気麻酔のメリット
・呼吸器・循環に殆ど影響がありません。
・肝臓に負担をかけません。
・心因性ストレスが誘発する血圧の上昇を抑えます。 -
使用の流れ
- 専用器具(チューブ)を鼻に装着します。
手術台に横になり、笑気吸入鎮静器へと繋がった専用のチューブを鼻に装着します。 - 吸入装置から出てくる気体を吸入します。
装着したチューブから、酸素と笑気を吸入します。2~3分でリラックスして落ち着いた状態になります。
(心拍数や血圧・呼吸など、全身状態が安定します) - 鎮静状態を確認し、手術を開始します。
- 手術後、しばらく安静にしていただきます。
笑気ガスを止めると2~3分で麻酔の影響はなくなります。
- 専用器具(チューブ)を鼻に装着します。
手術支援システムCALLISTO eyeを使用したデジタル併用手術
白内障手術は以下の手順で行います。
手術前には点眼麻酔を行い、術中に痛みを感じることはほとんどありません。
白内障手術の手順
- 創口(そうこう)作成
メスで角膜(黒目の部分)と結膜(白目の部分)の境目に小さな切り込みを作ります。 - 前嚢切開
濁った水晶体を吸い出すため、(水晶体嚢(水晶体を覆っている袋)の前面を切開して剥がし、水晶体を吸い出す入口を作ります。 - 水晶体の乳化および吸引
水晶体嚢の窓から手術器具を挿入し、超音波を出して濁った水晶体を細かく砕いて吸い取ります。 - 眼内レンズ挿入
水晶体をすべて吸い取り、中身がなくなった水晶体嚢の中に新しい人工の眼内レンズを挿入します。
費用について
手術費用
加入健康保険 | 負担割合 | 日帰り手術 | 入院手術(1泊2日) |
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社会保険 | 3割 | 約¥48,000 | ¥57,000 |
2割 | 約¥32,000 | ¥38,000 | |
国民保険 | 1割 | 約¥16,000 | ¥19,000 |
後期高齢者医療 | 3割 | 約¥48,000 | ¥57,000 |
1割 | 約¥16,000 | ¥19,000 |
※概算金額ですので、多少前後することがあります。
入院費用
入院する際の部屋代は無料です。(個室・二人部屋ともに)
個室 | トイレ・洗面台有 |
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二人部屋 | 洗面台・カーテン間仕切り有 |
※入院についての詳しい情報は上記手術入院についてをご参照ください。
選定医療(多焦点眼内レンズ)
精密機器による正確性・安全性に配慮した白内障手術
多焦点眼内レンズを使用する白内障手術を受ける場合、当院では選定療養の費用として、通常の診察費とは別にご負担を頂きます。
選定療養とは、患者さんご自身が選択して受ける追加的な医療サービスで、その分の費用は全額自己負担となります。令和2年4月より、術後の眼鏡装着率の軽減を目的とした多焦点眼内レンズを使用する白内障手術は、厚生労働省が定める選定療養の対象となりました。
当院は多焦点眼内レンズの白内障手術を行う医療機関として届出をしています。
多焦点眼内レンズの対象となる患者様には診察時に詳細をご説明致します。
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多焦点眼内レンズの種類
・Clareon Vivity Extended Vision AutonoMe
・Clareon PamOptix AutonoMe
・Clareon PamOptix TORIC AutonoMe
・HOYA AF-1iSii
・Clareon PamOptix
・Clareon PamOptix TORIC -
焦点眼内レンズを使用する白内障手術の費用
多焦点眼内レンズに係る費用 選定療養(全額自己負担) 白内障手術費 医療保険で給付 -
当院の精密機器のご紹介
当院では手術用精密機器「ステラリスPC」および「手術支援システムCALLISTO eye」を用いた白内障手術を行っています。精密機器に手術支援システムを用いることで、スピーディーかつ高精度で安全性に配慮した白内障手術が可能となります。
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手術支援システムCALLISTO eye
術前の検査データやシミュレーション画像を術者の視界に重ね合わせることでその眼に合った切開位置や眼内レンズの位置情報を提示します。これにより、これまでにない質の高い精密な手術を可能にします。これまでの白内障手術に比べ、医師の勘や目視のみに頼らない一歩進んだより質の高い手術を実現します。
白内障の手術実績
過去10年間の白内障手術件数
白内障手術について
『白内障手術は今日では、ほぼ完成された手術となり、白内障以外に問題が無ければ、安全・確実に視力を回復することができます。
手術の時期は、運転免許、明るい所でまぶしい、ゴルフボールが見難くなった等、生活の中で不都合が出てくれば、必要となります。
皆様、目の手術となると、躊躇され先送りしがちですが、余りに白内障が進行すると、 手術が難しくなり、合併症が起こることもゼロではありません。技術的に難しいケースでは事前にその旨をご説明いたしますので、手術時には、安心しリラックスして、私共にお任せ下さい。』
院長